独学でプログラミングを勉強していると、数式をメモしたいことがよくあります。
マークダウン記法で数式をきれいに書くLaTeXというものを学んだので解説します。
目次
なぜMarkdownで数式を書くのか?
Markdownは、シンプルで読みやすいテキストフォーマットとして広く使われていますが、以下の利点があります:
- プレーンテキストで書けるため、バージョン管理が容易
- GitHubやJupyter Notebookなど、多くのプラットフォームでサポート
- LaTeX数式との互換性により、専門的な数式表現が可能
LaTeX数式記法の基本
1. 数式の記述方法
数式を記述する方法は大きく2つあります:
- インライン数式
- 使用方法:
$数式$
- 用途:文章中に数式を埋め込む場合
- 例:「二次方程式 \(ax^2 + bx + c = 0\) の解の公式」
- ディスプレイ数式
- 使用方法:
$$数式$$
- 用途:独立した行に数式を表示する場合
- 例:
\[x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 – 4ac}}{2a}\]
2. 基本的な数式表現
よく使う数式要素
- 四則演算と関係記号
- 足し算:
$x + y$
→ \(x + y\) - 引き算:
$x - y$
→ \(x – y\) - 掛け算:
$x \times y$
,$x \cdot y$
→ \(x \times y\), \(x \cdot y\) - 割り算:
\div
→ \(x \div y\) - 等号:
$x = y$
,$x \neq y$
,$x \approx y$
→ \(x = y\), \(x \neq y\), \(x \approx y\) - 大小:
$x < y$
,$x > y$
,$x \leq y$
,$x \geq y$
→ \(x < y\), \(x > y\), \(x \leq y\), \(x \geq y\)
- 指数と添え字
- 上付き:
$x^2$
→ \(x^2\) - 下付き:
$x_i$
→ \(x_i\) - 組み合わせ:
$x^2_i$
→ \(x^2_i\)
- 分数とルート
- 分数:
$\frac{分子}{分母}$
→ \(\frac{x+1}{y-1}\) - 平方根:
$\sqrt{x}$
→ \(\sqrt{x}\) - n乗根:
$\sqrt[n]{x}$
→ \(\sqrt[n]{x}\)
- 総和・積分
- 総和:
$\sum_{i=1}^{n} x_i$
→ \(\sum_{i=1}^{n} x_i\) - 積分:
$\int_{a}^{b} f(x)dx$
→ \(\int_{a}^{b} f(x)dx\) - 極限:
$\lim_{x \to \infty}$
→ \(\lim_{x \to \infty}\)
- ギリシャ文字
- α:
$\alpha$
→ \(\alpha\) - β:
$\beta$
→ \(\beta\) - θ:
$\theta$
→ \(\theta\) - π:
$\pi$
→ \(\pi\)
3. サービスごとの数式記法
基本的な記法は以上ですが、使用するプラットフォームによって微妙に記法が異なる場合があるので注意してください。
以下はその一例です。
※最新の情報はそのサービスのマニュアルなどで確認してください。
- Markdown(GitHub, GitLabなど)
- インライン数式:
$x + y$
→ \(x + y\) - ディスプレイ数式:
$$\frac{x}{y}$$
- 技術ブログ系(Qiita, Zenn)
- インライン数式:
$x + y$
- ディスプレイ数式は三連バッククォートで囲む
- ノートアプリ(Notion)
- インライン数式:
$$x + y$$
($記号を2つ)
- wordpressなど
- $で囲まずに
\(...\)
の…の部分に記述する
Tips
- 数式の検索方法
- 「○○ LaTeX」で検索(例:「行列 LaTeX」「積分記号 LaTeX」)
- Detexify:手書きで記号を検索可能
- よくある間違いの回避
- 括弧は
{}
で囲む - 指数や添え字の範囲は明確に指定
- スペースは
\
で表現(例:\quad
,\space
)
- 数式エディタの活用
まとめ
最初は難しいですが、慣れてくれば結構簡単に書けるようになります。
ぜひ試してみてください。
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